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「環-なごり桜-」 第33回日洋展
東日本大震災から8年、平成の30年が幕を閉じる。世界の経済も国情も混沌としているが生きとし生けるものは今日に在り、春はまた巡り来る。
あの3.11でぼくの絵は変わった。あの現地を見て人生観が変わった。そこで、画く者として何が出来るかを考える機会を得た。積んで帰ったガレキを炭にして描いた絵は真っ黒だったが新国立美術館の明るい壁には新鮮だった。翌年5月東京の空に金環日食が出た。広い空間に悼む象徴としてリングを取り込んでみた。何と誰もやらなかった。ぼくの絵の広い空間に置く祈りの象徴としてぴったりだった。それに格調も高い。
世界中に悼む人々がいる。どんなに美しい風景にも悲しみの歴史はある。それを、作品構成の過程で削ぎ取って削ぎ取って、煮詰め直し、昇華した上で、ぼくの心の色で描く。日本人が描く俳句のような絵画でもいいと思う。
日野師匠が「真に描くは己れの精神」とおっしゃっていたことがようやく理解できる。今ぼくは長年看守ってきた95歳の母を見送る心の準備をしている。ぼくもまたいずれその後を行く。平成という30年に感慨と感謝を込めてこの題にした。 3/27記
第33回 日洋展
- 会期
- 〜
- 会場
- 国立新美術館
